山行報告:前穂慶応尾根上高地・慶応尾根・引き返し
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マーサーの卒業山行で強敵の前穂北尾根にチャレンジ。しかし大雪で見事な敗北。 今度は除雪機を持って登りたい。 text:ヘイキ photos:青木 | ||
3月8日 天気不明 浜松(17:09)=鶴舞(夜)=松本(夜中) マーサーは名古屋で卒研発表の学会があって、ヘイキが浜松から行って、名古屋合流。 鶴舞駅前にて怪しまれつつの装備分け。そして電車に乗る。 最初は満員車だが中津川から空いて、ヘイキがビールを買って飲むが マーサーが先生と酒を飲んできたのでもう飲む気にならず、牛乳を飲む。 松本で久しぶりのステビバ。最近、車ばかりで山に行っているから懐かしく感じた。 ビバークサイトがうるさかったのでコンビニで耳栓入手。しかし、明るかった。 ステビバ不足で体が鈍ってきている実感。だが、目隠し+耳栓は軽量で持っていってもいいアイテムだと思った。 超軽量化には向かないけど。 電車の中で、前穂は北尾根のキャンプからビバーク装備でピストン・アタックと決める。 | ||
3月9日 雪 松本 7:50ー釜トンネル 9:20ー上高地 10:45ー徳沢 13:20ー慶応尾根1800m 15:30 | ||
松屋での朝食後、バスで中ノ湯まで。釜トンネルの入口付近にマーサーのスーツ等不要な荷物をデポ。 早稲田大のデポザックも3個あった。 道が除雪され、そうでないところもトレースがあったので上高地まであっという間。ヘイキが 運動靴で歩いた。バスターミナルで休憩、雪がパラパラ降り出した。怪しげなカラスににらまれていた。 ヘイキがプラブーツに履き替えて、運動靴をデポするために背を向けたそのとき。 魔の鳥がレーションを襲奪!レーションの真の持主が獣鳥を追いかけるが無駄。 明神・徳沢までも道やさしく。新村橋まで河原のトレースを追う、だが穂高側の林道でトレースが消える。 仕方なくわかんをつけてラッセル開始。林道、河原は雪が深いが尾根の日の当たるところは氷状。 前日何日かの雨は、ここも雨だったことが分かる。汗をかきながら1800mコルに到着し、テントを張る。 夜は大量の湿雪が降って、木の枝上にたまってテントの上に落ちて、それで何回も起きる。 | ||
3月10日 雪 起床(4:30)―2200m(10:40)―2550m(15:40) 雪が降って、風も強まってきているが朝ごはん+出発。気温が落ちて、夜の湿雪の上にパウダーが 降っている。ラッセルが最初は膝より下の程度だが、2200mコルの手前から膝を越えるようになる。 コル手前のやせ尾根が木上に出来た雪溜りで少々複雑にはなっていたが、雪質が安定していたので ロープを出さず。コルでしばらく休憩してから雪の斜面を登りだす。すぐ胸までのパウダーラッセル となる。そして額まで頭上まで・・ 半分トンネルを掘る、半分泳ぐ気分で登る。 トップが掘ったパウダーがそのまましたに流れるからセカンドも大変。雪の表面構成は氷30cm+ ザラメ10cm+湿雪40cm+パウダー120cmで雪崩が心配になる。 | ||
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雪が降り続ける中、2400mくらいから高度差50mを取るのに1時間以上かかるようになる。 今日の目的の八峰は無理だと分かって2550mコルにテントを張る。 | ||
3月11日 雪のち晴 起床(7:00)出発(9:40)―1800m(12:20)―明神(16:20)―上高地(17:50) ―釜トンネル(20:00)―坂巻温泉(21:00) 寝坊。前日のラッセルでやる気をなくしたこと、日光でしまるパウダーの雪崩の心配、 行動の遅さと予備日不足があって、北尾根をやめてスキーへ計画変更とした。そう決定したとたん みことに晴れてきた。 | ||
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ひょいひょい下りたが1800mコルに向かう斜面を見ず尾根沿いに下りたらちょっとトラバースが 強いられた。慶応尾根の下部は新雪がさほどなかったが谷・林道・登山道にはさすがに積もっていた。 湿雪がわかんに鬼団子を付けながらのむかつくラッセルを徳沢まで。マーサーが 背中の筋肉が溶けるのを心配していた。徳沢からはスノーシュー1人の トレースがあって、一歩一歩の間隔が長かったがこれを上高地まで辿る。 | ||
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上高地に着いたら最終バスに間に合わないことが分かっていたので水作りをして休憩して 釜トンネルに向かう。公衆電話でタクシーを調べたら14000円がかかるといわれた。 トンネルで泊まる気にならず、近くの温泉旅館に電話したところ、松本より徒歩20分にある 坂巻温泉は晩御飯は出せないが宿泊は可能だよと言われ、言葉に甘えて宿泊することに。 温泉に向かっている途中、道路工事関係者に、松本への道が工事のため閉鎖されているから タクシーを呼んだところで通れなかったことが分かった。 晩御飯はなかったが温泉の人がおにぎりを出してくれて、マーサーがペミカンを食べたくなかったので あとはレーション、ご飯、お味噌汁、どらうまい生ビールをどんどん消費。温泉も最高。 布団最高すぎる。 | ||
3月12〜13日 晴 坂巻温泉=松本=白馬47=浜松、磐田 山が終わったら、松本のATMでお金をおろしてプラン・スキーを実行。 12日昼過ぎに白馬に着いて、荷物降ろしてスキー場へ。マーサーが思ったよりうまかった。 Hakuba47,五竜はやっぱりいいな。遠見尾根を登るときのゴンドラステーションもあるので 懐かしい。 夜は肉を食べたかったのでステーキを食べた。エコーランドの湯という小さい温泉のサウナは フィンランドの一般家庭のとほぼ同じようなサウナで、日本で行ったサウナの中では 一位か二位くらいので絶賛。 13日もスキーをやる予定だったが、雨の土砂降りだったので帰ることに。土曜日のためか、 車窓から都会からのツアー客がいっぱい雨の中で滑っているのが見物できた。 帰りは乗り換え時間がどれも短かったのでお弁当も買えずに、中津川で妖精の世界の雰囲気を 出す喫茶店で昼ごはんを食べた(美味しかった)。 | ||
総括 10日のラッセルで疲れて、やる気が落ちたのが問題だった。特に雪崩れそうな斜面のラッセル が本当に怖くて嫌になった。メンバーがあと1、2人いたら、もっとうまいことラッセルの分担が 出来て成功のチャンスが高まったんじゃないかとあとから思う。 あと、マーサーが食料(レーション、プロテイン)を持ちすぎていたのもちょっとどうかと思う。 たくさん食べたいなら運んでも別に問題はないが、そのせいで荷物が重くて行動が遅くなったり 疲れたりするのが問題。今回の前穂より2週間後に行った鹿島槍東尾根のときも、軽量化への 意識が低いな〜と思った・・ |