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山行報告:甲斐駒ケ岳

甲斐駒ケ岳 黒戸尾根


ルート図

行程

  • 12月26日 静岡=道の駅はくしゅう
  • 12月27日 =竹宇駒ケ岳神社‐七丈小屋
  • 12月28日 −甲斐駒ケ岳山頂−七丈小屋
  • 12月29日 −岩小屋−中央稜−七丈小屋
  • 12月30日 −竹宇駒ケ岳神社=部室

メンバー

森下 峯尾 小田切


憧れの年越し山行!のはずが・・・・

text:小田切 photos:森下


12月26日 晴れ

21:30静岡=24:35道の駅はくしゅう 車中泊

本当はマーサーさん加えた4人で前穂北尾根に行く予定だったが、マーサーさんがまさかのインフルエンザでダウン。 発案者抜きで行くのもなんだかなあということで急遽別案作成。目的を甲斐駒ケ岳中央稜およびAフランケに予定変更。これが出発2,3日前。

26日午後部室に集合して装備を車に積み、買い出し。 夕方には出発できたが、小田切がペミカンを家に忘れたため引き返し、上記のような時間に・・・。すみません。
運転交代しつつ道の駅に到着。 寒い&めんどくさい&早く寝たいということでなんとかスペースをつくり、車の中で就寝。


12月27日 晴れ

4:00起床=7:00竹宇駒ケ岳神社駐車場8:00‐15:20七丈小屋

不自然な姿勢で寝たため強張った体をほぐしつつ買っておいた朝食をもそもそと食べる。 装備食料をパッキング。予定では年越しするつもりだったので結構なメシの量。自分の行った山行の中では一番ザックが重かったように思う。
パンパンに膨らんだザックを再び車に詰め駒ケ岳神社へ。 トイレも済ませいざ行かむ!と思いきや登山届のポストが見つからずしばしウロウロ。 結局駐車場の端に見つかったが思わぬタイムロスである。

その後は特に問題もなく進む。雪も少なくアイゼンは付けたがラッセルには程遠い量の雪。
ただ長い。黒戸尾根。うんざりするほどの梯子の数(主観)。パッキング時の懸念通り小田切がバテ、ペースダウン。すみませんその2。
なんとか明るいうちに小屋に着き、テントを張る。重い思いをして運んだ生野菜、肉で鍋を作り21:00就寝。風もなく穏やかな夜。

黒戸尾根にて


12月28日

3:00起床5:30‐9:20甲斐駒ケ岳山頂−11:50テン場

昨日とは一転、朝からずっと雪と風。朝食をとりテントを畳んでザックにしまい雪に埋もれなさそうな場所へ移動。サブザックで出発する。 本を参考に登山道からの目印となる鳥居、岩小屋を探しつつ歩いていると、いつの間にか山頂に。一層雪風強く、顔に当たる氷の粒が痛い。
帰りも探しながら戻るが、やはり見つからずテン場まで着いてしまう。 と、メインザックが埋もれてどこにあるのか全く分からない!と焦ってあちこち掘るが、 何のことはない、同じようなテン場が2段になっていて取り違えていただけである。
なんというズッコケ3人組。

その後テン場代を払いに行くついでに小屋の人にアプローチについて聞く。 鳥居は既に壊れていて、今は鳥居跡となっているそうである。どうりで分からなかったわけだ。
カップヌードル(日清の純正品!)をもらい更にテン場代にちょっぴり色をつけてもらい、と至れり尽くせり。

朝からずっと吹いていた風が一層強くなり、明日以降の計画について話し合う。
自分たちの実力、今回の山行は急遽立てられた代案であり練りこまれていないこと、今後の天候など諸々を加味し、結果、Aフランケは中止、中央稜のみに変更。ということになる。20:15就寝。

小田切峯尾の地球科二人組

小田切と悔しくてふてくされた森下


12月29日 快晴

3:00起床5:30‐7:00鳥居跡−中央稜13;50−15:50テン場

今回はテントをたたまずペグ代わりに雪を詰めたスタッフバッグを埋めて出発。 昨日の雪で同じ登山道なのにうってかわってラッセルが大変。トレースもほぼ消えてしまっている。
今回は事前情報があったので鳥居跡は見逃さない。なるほど言われてみればこれが・・・という感じ。 ちょうど鳥居跡に着いたあたりで太陽がこんにちは。きれいな日の出。
風もなくこれ以上ない好天候になった。

さて次は岩小屋だ。手分けして周囲を探索。一時間以上かかりようやく発見。 予想以上に奥行きが広く、中に雪も吹き込んでおらず、快適なビバークサイトだなあと思う。
そこからは迷わず、取り付きに到着。しかし途中のトラバースがなかなかの急斜面で雪も気温の上昇とともに融けてきていたので怖い。

雪で本来の取り付きよりも上の位置に自分たちがいるのか、ピンが見つからず、ナッツで支点を作る。
時間的に今日は無理だから、下見に1,2ピッチ登ってみよう。ということでモリシが登り始めたのが12:00。 日陰で凍っていてボルトはみんな雪の下。掘るにも一苦労。というか全然出てこない。 おまけに灌木やハイマツなども手の届く範囲には皆無。かなり悪戦苦闘している様子が下から見ても伝わってきた。
結局クライムダウンで降りてきたのは約2時間後。途中、モリシの片足のアイゼンが外れかかるというハプニングに一同肝を冷やしたが、なんとか無事降りてこられた。

1ピッチも歯が立たないという事実に3人とも凹みつつ岩小屋で作戦会議。 これ以上ない天候の好条件で、メンバー中最もクライミングに秀でたモリシが敵わなかった今、当初の目的が達成される可能性は潰えた。ならばこれ以上の滞在は無意味。という結論に達し、明日下山を決定。
テン場代を払いに行くと今度は お汁粉をもらった。
明日は降るだけだし少しでも今夜は豪華に食べようぜ!とペミカン2日分消費。

鳥居(跡)

甲斐駒ケ岳


12月30日 曇り

5:00起床8:30‐11:25笹の平分岐−12:30駐車場=16:50部室

朝からペミカン(ビーフシチュー)&マルタイで豪華な朝食。以外にイケる組み合わせ。
小屋の人に丁寧に挨拶をし出発。
登りではほとんど人に会わなかったが、下りは20人近くすれ違った。オーレン谷が人気のよう。
何事もなく駐車場に着き、暮れの家族連れで賑わうファミレスに臭い(むさいともいう)男3人で突撃。部室で解散。

噂のビーフシチューマルタイ


総括

こうして書き出して見返してみるとなんだか情けない山行に思えてくるが、 自分たちの実力を知ることができたことは収穫だったと思いたい。まだまだ力が足りない。
今回の計画は昔の報告書を参考にして立てたので、改めて先輩たちの強さを再確認した。
また、年末年始は山も大荒れだったと聞いたのでここで帰ってきたのは正解かもしれない。
冬の自分たちにとって難しいルートは、夏に下見をすべきだと思った。

くどいようだが小屋のおじさんありがとうございました。


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