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中山尾根

美濃戸口〜北沢〜中山尾根〜地蔵尾根下降


ルート図

行程

  • 4月10日 磐田=静岡=美濃戸口
  • 4月11日 ―中山尾根―美濃戸口=静岡=磐田

メンバー

(L)青木、(M)小田切


4月10日

磐田17:30=静岡19:00=美濃戸口24:15

大学の前で小田切を拾って、清水のあたりのファミレスで夕食を食べた。 道は混んでいなかったが、コンビニを探したりして時間がかかった。 道路は、もちろん夏道だった。 駐車場で仮眠。


4月11日 快晴

起床5:00−出発6:15−美濃戸7:00−赤岳鉱泉9:00−中山乗越10:00−取付11:00−中山尾根終了16:00−美濃戸口19:30

朝起きるともう明るく、気温も寒くはなかった。ご飯を食べ、支度をして出発。途中、美濃戸からは北沢をつめることにした。 南沢はアップダウンがあり道も悪いが、北沢は緩やかな登りで楽だ。だが道は、雪が融けてびっしりと氷が張っていて、 滑って進まないのでアイゼンを履いた。荷物が軽く、赤岳鉱泉に早く着き休憩して、中山乗越へ向かう。 思った以上に急だった。取付にアイスクライミングの道具をデポして、林の中のトレースをたどった。 樹林帯にはまだ雪が50cmぐらいはあり、下部岩壁取付にも雪がある。 ここは、去年1Pだけ登って敗退していて、右よりから登ると楽なことは分かっている。 途中スリングを掛けた、小ピナクルがフォローの最中に壊れたらしい。 山渓の技術書にも載ってたピナクルだけに残念だ。

2P目の左に回りこんだ先は、冬なら快適なダブルアックスのところだが、雪が融けて岩が出ていて小さなスタンスに立つ バランシーなクライミングを要求された。潅木まで登る数手が怖かった。その上は雪面を登って、リッジに出て岩を 乗越してハイマツでビレイ。近くにあった木のほうが丈夫そうだったが、ハイマツでビレイしたほうが体勢が安定していたためだ。 樺(?)の木と、ハイマツが一緒に生えていて不思議な感じがした。そこからは、木がまばらに生えた雪面から、所々で ぼろぼろの傾斜のない岩を登って、上部岩壁の取付についた。ここで休憩。核心の上部岩壁は、右の凹角を登る。 傾斜はないがホールドの細かい下部を登ると、中間で休める。そこから上部は少しかぶっている。 岩が、ここに足を置け!と言わんばかりにアイゼンの前爪の形に削れていて、それにそっと乗りこむが、足が外れそうで怖かった。 出口で、動きそうな岩を持って体を持ち上げるしかなく、取れないように祈りながら体を引き上げた。 上部岩壁を越えて雪面とボロイ岩のミックス帯を1P登り、さらにトポにピナクルとあるが普通の傾斜のない岩を真直ぐに登り リッジに出て、リッジ上でビレイ。ここも、出口は少しかぶっているがこちらは残置が全く無く、ピナクルに掛けたスリングも 外れてしまい怖かったが気合で登った。

ここから、簡単なトラバースをして登山道に出たが、支点がなく、雪も無いのでセルフも取れずに 肩絡みでビレイした。たるんだロープが岩に引っかかり、ロープが引けなくなってしまい、安全なところでロープを解いて来てもらった。 ロープを外そうとしてバランスを崩して落ちたらそっちの方が危機的なので、スマートではないが仕方ない。 この後、一般ルートの地蔵尾根を降りたが、かなり急だった。行者小屋からは中山乗越に戻って、荷物を回収して北沢を降りた。 美濃戸で陽が落ち、林道が長く感じた。自宅に帰ったのは、深夜1時だった。

アプローチ
下部2P目岩を乗越す所
上部岩壁の取付で休憩中
上部岩壁の出口
ミックス帯
最後のリッジ

総話

部会で話をしていたら、山に対するやる気が戻ってきて、中山尾根は去年敗退しているのでリベンジしたくなり出掛けた。 アイスもできると何かで見たような気もするのでアイスの道具も持っていったが、結局時間がなく、いい歩荷トレーニングになった。 4月にもなると、雪はぐざぐざのシャーベット状になり、来る人もまばらでもうシーズンも終わった感じだった。 登山道も歩きにくかった。おそらくアイスもできないだろう。赤岳鉱泉のキャンディも脆そうなシャンデリアになっていた。 日帰りは疲れるがいいトレーニングになる。

クライミングの方はと言うと、天気もよく岩も暖かくて、ホールドの細かい所も素手で登っていたので、その点は楽だったが 、雪が付いてないために悪くなっているところもあった。 このように、単純なグレードに関係なく、条件ひとつで良くも悪くもなる不確定要素の大きい部分が山の魅力だ。 今回は、楽な条件だったと思うので、より厳しい条件で登りたい。 ルートの様子も分かったので、冬にまた手袋で登りにに行きたい。

(文責 青木賢崇)

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