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富士山雪訓

御殿場口登山道ピストン


ルート図

行程

  • 12月6日 静岡=ゲート−6合目
  • 12月7日 −山頂−ゲート=静岡

メンバー

4年・真先(L)、3年・青木(SL)、2年・浅田・佐々木・青島、1年・森下・小田切・山口・峯尾


12月6日 晴れ

静岡=御殿場口ゲート−6合目

浜松からのレンタカーと、森下の車で御殿場口に向かった。富士山スカイラインは道路の凍結を心配したが、まだ大丈夫だった。 ゲートに車を止め、車道を2キロほど歩いて登山口に着いた。歩き出してしばらくは砂の緩やか斜面を登り、雪が出始め傾斜が増し アイゼンをつけた。時折、ガスに包まれたり強い風が吹き寒かった。ガスの切れ間に見える小屋に向かって、雪が強風のため氷となった斜面を ひたすらに登った。途中森下がヘルメットを落とした。富士山は一面が滑り台となっているため、よく転がる。結局回収できず。
6合目の小屋に着き、横を整地しテントを2張り張ったが1つは氷の上であり、滑ったらお終いだ。 雪があればピッケルを雪面に刺すことができるが、氷のために刺せず、スリングを小屋の周りの丈夫そうな鉄柱に伸ばし、さらにピッケルの ピックを氷に叩き込み補助とした。富士山の強風に耐えれるように、寝てる間に落ちないように何重にも固定した。 狭いテントでワイワイしながらご飯を食べ、就寝。

炊飯係が自信満々だったご飯の出来が微妙で、僕が思わず軽口を叩いたせいで険悪なムードになり、結局僕が場を取り繕う羽目になった。 今回は1泊だからいいけど、山行が長期になり厳しくなるほど食事は重要になってくる。山の中では、食事は数少ない楽しみの一つだ。 みんなは、ご飯の出来ぐらい…と言うかもしれないが、一日の疲れを回復させ、翌日のエネルギー源となる食事をおいしく食べるというのは かなり重要だと思う。高度のせいで食欲がなくなる高山では、ご飯をたくさん食べれる人間が一番強いという。 欧米人はヒマラヤのアタックにに鉄鍋と生肉を持ってきて、バリバリ食べているらしい。やっぱりご飯は重要だ。

ゲートで準備

2合目付近

雪が氷となっている

ふくらはぎが疲れた


12月7日 快晴

6合目−山頂−ゲート=静岡

夜中、時々強い風が吹きつけることもあったが、この日は無風・快晴となり日差しが暖かいぐらいだった。 テントは飛ばされないようにしまって、不要なザックをデポして山頂に向かった。 先頭を行く真先は順調に飛ばし、パーティが二分した。僕は、疲れていて後ろについていた。 本来なら良くないが、前後と先頭から遅れた1年生には上級生がついていたし、山のコンディションは穏やかで大丈夫と判断した。 先頭が山頂についた頃、後ろは9合目にいて登頂は無理だったので、降りることにした。 身振り手振りで、先行に事情を伝えようとしたが、踊ってるようにしか見えなかったらしい。 こういうとき、無線があったらいいと思った。
斜面は融けた雪が氷となっていて、滑落停止ができない斜面だったので神経を使った。それも薄い氷で支点も取れない。 第一、いちいちロープを出していたら、何時まで経っても降りれない。 風が全くなかったから良かったものの、風があったら相当悪かったと思う。 途中、雪があるところで支点を作ってロープを出す練習をした。 状況に応じて、最適な支点を構築するには山で試行錯誤した経験が重要だろう。 デポしたザックのところに戻ったら、まもなく先行組が降りてきた。 まだ明るいうちに砂の斜面まで降りて、ヘッテンをつけて暗闇を登山口まで歩いた。町の明かりがすごくきれいだった。

快晴

伊豆半島が見渡せた


総話

冬の富士山は独立峰ゆえの強風・厳しい寒気ため、毎年事故の起こる危険な山です。 今回は拍子抜けするような無風快晴でしたが、山岳部でも5月に登ってテントを建てるのが大変だったとか、石が飛んできたとか、 強風を物語るエピソードはたくさんあります。 ゆえに、今回参加したメンバーには、富士山を甘く見ないで、心して登って欲しいと思います。 例えば、薄い氷の斜面では、確保条件は非常に悪くなります。 潅木はないし、雪もないのでスノーピケット・スタンディングアックスビレイもできません。 考えられるのは、ピッケルのピックを打ち込んで支点にすることぐらいですが、このような状況で最も大切なのは、 絶対に滑落しないということです。 斜面に対してアイゼンを正確に置くためには、体力だけでなく集中力も必要で、それらは多くの登山経験の中から学ぶべきです。 しかしそれは理想論なので、現実的には週3回のランニング・坂道ダッシュ・歩荷・筋トレなどが、 山で高みを目指す人間には必須だと思われます。山は体力です。頑張りましょう!
(文責 青木賢崇)


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