総話
尾根に取付いた頃からヘイキさんが体調不良を訴え、御池小屋まで行ったものの、
雪がなく水が作れなかったことと、このまま行動してもバットレスに取り付けないだろうことも
あって、本来3日の予定が2日目にして敗退、しかも、奈良田まで長い長い林道を
プラブーツで歩く羽目となった。雨が降ってきて不快だったし、結構寒かった。
重いクライミングギアを背負って、紅葉の美しい登山道を
プラブーツで歩いただけの山行となった。
しかし、結果的にバットレスに取付かなくて良かったと思う。
理由は、危ないからだ。
夏になると、大して登れもしない初心者で大渋滞するルートを、冬に登ったからって何の意味があるのだろうか?
山なんて登ったって、誰かが褒めてくれるわけでもないに、
悪場を稼いで偉くなったような気分になることほど、愚かしいことはない。
当時、自分もそうなりかけていたのだった。
これからは、心から登りたいと思うルートを登っていきたい。
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